LOGO

人生でロゴを作ったのは二度目である。

一度目は、今調べたら2013年頃の事だった。
時の流れよ!

自分で撮った写真をモチーフに使い方のわからないイラレかフォトショを勘に任せて全く合理的ではないやり方で、手探りで作業を続けて完成した。

2011年3月11日、東日本大震災が起こった。
3月20日、エクストラ・スーパームーンとのことだった。
東京からも普通に避難する人達がいたり、情報として入る数字や単位が一体どれほどのことなのか。
知る努力はしても、正直脳が空と溶け合っているぼんやりした人間だったので結局ただ日々をこなすだけだった。
深夜、疲れた頭で山下達郎の「Loveland, Island」のMVを観て、THE BLUE HEARTS「旅人」「月の爆撃機」のライブ映像を観てマイケル・ジョーダンのスーパープレイ集を観て外に出た。

「イノコー・エクストラ・スーパーフルムーン」だなと思いながら丑三つ時の井の頭公園の空気を大きく吸い込んで走った。

確かこの時はなるべく外出して外気に触れないようにってお触れが出たりTwitterをスクロールすれば水道水も危ないから飲んじゃ駄目って流れてきたりしていた頃だった。(記憶違いだったらごめん。)

誰ともすれ違うことなく人一人いない公園の石段を駆け上がり西園トラックの方まで走っていくと真夜中の暗黒のベンチでかなりお年を召されたと思われるお婆さんがボロボロになった女の子の人形を抱きかかえて座っていた。

大切な娘さんを亡くされて代わりににずっと人形を抱きかかえてるのかな、と思いつつ
目が合った。網膜にスローモーションでその場面が焼き付けられ、脳内CLOUDに映像が残った。

うめき声のような奇声を上げられたかもしれないし、上げられなかったかもしれない。おそらくイヤホンをしてたからかそこは覚えてないが、いつもならそのトラックを何周かするところ、さすがにこの真っ暗闇の中怪しいお婆さんと二人、抱きかかえた女の子の人形を入れて三人、見つめられながら走るのはやめておこうと何事もなかったかのように平静を装いつつ違うルートで家に戻ることにした。

石段を降りて井の頭弁財天の前を通り過ぎようとした時、出し抜けにチープなドラマの登場人物にでもなったかのように外灯、スポットライトにぱっと照らされた。立ち止まって外灯を見上げるとそこから完璧なタイミングでひらひらと椿の花が目の前に落ちてきた。おもむろにその花を拾って見つめると
なぜか弁天さんにここに居ていいんだよと言われた気がした。
(自分はスピリチュアルな人間ではないが、独り決めのスピリチュアルは稀にある。)

弁天様はスピリチュア

「指が月をさすとき、愚者は指を見る」という中国の諺がある。

せめてそこに花を添えて、供えて、来たるべき時に備え、右手でポッケからiPhoneを取り出して月に向かって写真を撮った。

ロゴを作ることになった時、その写真をトレースすることにした。

そのロゴ自体はささやかな音楽イベントのために、広く自分のために作ったものだった。

ロゴはシンプルな方がいいという話は事前に知ってたし、そう言われたりもしたが、
「それはいつかまた作る時にする。」と言って好きなように作った。

二度目のロゴを作った。今後もっとシンプルになったり、変更していくこともあるとは思いますが、これが『Marematic Vision』のロゴです。


眉間の紅一点突破マレマティックトリガー!とか余計なこと言わずに

シンプルに、これからどうぞよろしくお願いいたします。

Logoの独り言。

Thank you for reading!