暗い文章のblogばかりでマジでブランディングする気ないな、更新せねば。
と独り心の中でごちてからそのままさらに悠久の時が流れた。
久々のblog更新。
先週『THE FIRST SLAM DUNK』を劇場で鑑賞した。
昔スラムダンクのアニメはチラ見した時に、何秒ドリブルしてんだよと思って断固見ることはなかったが(小童の感想です)
友達から映画は絶対観た方がいいって言われて、あれ?井上雄彦監督?と思って
予備知識なしで観たら、一番好きだった漫画の最高のクライマックスを劇場で最高の形で体感してしまった。。
今の子達はいいなぁというよりも、最高のタイミングで観れた。気がした。
鑑賞後こんなにもレビューを見る気しない(必要のない)映画も初めてな気がした。(結局少し見たけど)
子供の頃、夕飯前か後、家の居間のテレビの前でうつ伏せに寝転がり足をバタつかせながら
いつもの習慣通りに週刊少年ジャンプを一通り読んでいたらスラムダンクの第一話が始まった。
読後すぐに「とんでもなく凄い漫画が始まった!絶対とんでもなく売れる!」的な事を興奮しつつ親に叫んでスラムダンクのページを開いて見せていた。(実家が本屋だったため)
次の日、お昼休みだったか放課後だったか、体育館に行ってこのダイダイのリングはそのために付いていたのか!
と昨夜初めて知ったばかりの私はバレーボールを掴んで漫画で見た通りにダンクを試みた。
後にそれはマイケル・ジョーダンのダンクコンテストのパロディだったと知ったり。
そして中高6年間当たり前にバスケ部に入った。
青春の時は流れた。
ある日、毎週楽しみに読んでいたスラムダンクが何の予告もなしに絶頂の瞬間に突如終わった。
山王戦のとんでもない感動とともに突然の終わりに学校の休み時間、窓際の席でジャンプを手に茫然自失の状態に陥った。
暫しの喪失感を終えた後、なんと完璧な終わり方なんだと途轍もなく感激していた。
私はその日を境に、スラムダンクの終了とともに週刊少年ジャンプを読む習慣を終えた。
それからは松本大洋や岡崎京子、高野文子、藤子不二雄SF短編集などなど単行本で漫画を読むようになった。
東京で漫画、映画、音楽、なんでもいいけど素晴らしい作品にいっぱい出会った。
スラムダンクの劇場版はオープニングで手描きから彼らが動き出したところからゾクゾクっと鳥肌が立って
「なんで歩いてるだけでこんなに格好いいんだ?」と心で笑いながらツッコミを入れつつ多分もう既に泣いていた。
SoulScreamの「蜂と蝶」のビートみたいにいきなりクライマックス感がハンパなかった。(いや、曲が全然違った、90年代の十代の精神が細胞から香って来た曲だった。この時代に生まれてきたことを祝った。)
リアル的な宮城リョータの回想シーンの挿入、バガボンド的な赤木が倒れた時の描写、ギャグが少なくなってシリアス多めの場面、名場面の大量のカット、他にも色々良い悪いの賛否が分かれそうなことがいっぱいあったがそんな細かいことは本当にどうでもいいくらい細かいところまで心を込めて作られている今の井上雄彦監督とスタッフさん達の魂の叫びがスクリーンに響き轟き渡っていた。
しかも自分は適度に細かいところは忘れていたし、声優交代劇もアニメを見てないので関係なかった。
そもそもこんな映画を観れると思っていなかった。
場内に「20点差」というワードが飛び交って、いつもの癖で我が脳漿は「20点差、20年差、、」と適当に唱えていたら
「まだ勝てると思っているのは私だけですか?」と出し抜けに安西先生が言うもんだから本当に一番後ろの席に陣取っていて助かったのであった。最小限のダメージで済んだ。まさかこの歳になって改めて安西先生に○●◎れるとは。
結果的に宮城リョータの回想シーンはNIRVANAの曲の構成のように静と動を生み出していたし、煽りVよりも試合の方がワクワクして面白いという理想的な状態だったし、回想シーンにも十分意味があったし、人間だけどやっぱり(でかいしダンクできたり)ちょっと超人要素がある桜木花道ではなく宮城リョータを今回主人公に据えたというのは明らかに大正解だった。し、主人公が変わるのは中上健次的で元々とてもいいし、少し距離を置いて桜木花道を見れたのも良かった。
スラムダンクから離れていた時間分距離を置いてくれていた。
最後の無音と口パクも最高だった。
観終わった後、なぜかこんなまた観たくなってる映画ってあったっけ?と初めての感情に楽しんでいた。
そして一週間後私は『BLUE GIANT』を観た。自分にとっては『BLUE GIANT』はスラムダンクのある種の続きであった。
なぜならばバスケ部を引退した青年が音楽にうたれて音楽をやる物語だったから。
(漫画も初期の方は読んだことあるけど作者も意図してるはず、と勝手にそう思って読んでいた。)
映画も演奏シーンも最高でやはり一番後ろの席に陣取って良かったのであった。
改めて『THE FIRST SLAM DUNK』は映画そのものが「BLUE GIANT」だった。
また劇場で観たいな。笑
今編集している少し不思議な小さな映画にもレイヤーは違えど重なる部分もあり
いいタイミングでいい二本の映画を観れた。
超感謝。